<目次リストを追加する領域>
自社ホームページを作るに際して、予算には限りがあります。できるだけコストを抑えて制作したいものです。
ホームページの制作を企業ではなく、個人やフリーランスに依頼する方法もあります。その場合、費用や品質はどのように違うのでしょうか。
この記事では、自社ホームページの制作を制作会社ではなく個人やフリーランスに依頼する場合に知っておきたい知識について紹介します。
ホームページ作成を個人・フリーランスに依頼する時の価格相場は?
ホームページ制作を個人やフリーランスに依頼する場合にどのくらいの費用がかかるのか、相場をみていきましょう。
制作会社に依頼した場合 | |
制作費用目安 | 制作内容 |
〜30万円 |
・名刺代わりの簡易なホームページ ・テンプレート使用 ・画像やテキストは依頼者が用意 |
〜100万円 |
・一般的な企業ホームページ(中小企業向け) ・希望したデザインに仕上がりやすい |
個人やスリーランスに依頼した場合 | |
制作費用目安 | 制作内容 |
10〜30万円 |
・企業ホームページに必要な最低限どの内容 (製作者のスキルにより対応範囲は変動あり) |
費用相場を見ると、個人やフリーランスは圧倒的に制作費用が低いことがわかります。しかし、なぜこれほどまでに費用の差が生じるのでしょうか。
その理由をみていきましょう。
制作会社との違いは何?
個人やフリーランスと制作会社で最も違う点は、ホームページ制作にあたる人数です。
ホームページ制作にあたっては、主に以下の5つの手順を踏みます。
制作会社と個人やフリーランス、どちらに依頼した場合も作業工程の数は同じです。ただ大きく異なるのは、制作会社では1つの案件に対して複数人で取り組むということです。
例えば大手の制作会社の場合、以下のように複数人が一つの案件に携わります。
- 発注者と依頼内容の打ち合わせをする営業担当
- ホームページの計画を立てるディレクター
- ホームページのデザイン制作にあたるデザイナー
- ホームページの内容を、コンピューターの言語で記述するコーダー
- ホームページが設計通りに動くかをテストするスタッフ
ホームページの規模が大きければスタッフの人数も増員され、チームプレーで制作にあたります。各工程は、それぞれ専任のスタッフが担当します。そして各担当者を統括管理するディレクターもいます。それぞれの工程の専門家が制作にあたり、それを別の視点でチェックし管理する体制があるため、質の高いホームページを作成することができるのです。
しかし携わる人が増えれば、人件費も必要です。さらに、スタッフが業務にあたるためのオフィスの賃料や機器の費用などの諸経費も、製作費に含まれます。そのため制作会社に依頼した場合は、製作費が高額になりがちです。
個人やフリーランスの場合も、ホームページ制作にかかる作業の工数は制作会社と何ら変わりはありません。しかし制作会社が複数の担当者がそれぞれ業務を分担しているのに対して、個人やフリーランスの場合はほぼ1人で全ての作業工程を行います。
また制作会社と違い、大きなオフィスを構える必要もないため人件費や諸経費が不要です。そのため個人やフリーランスは、制作会社より制作費用の価格が低い傾向にあります。
- 個人やフリーランスと制作会社、どちらも作業の工程数は同じ
- 個人やフリーランスの製作費は、ほぼ制作物の費用のみの場合が多い
個人・フリーランスと制作会社のメリット・デメリット比較
個人やフリーランスと制作会社、それぞれにホームページ作成を依頼する場合のメリットとデメリットにはどんなものがあるでしょうか。
制作会社に依頼するメリット・デメリット
制作会社に依頼する際のメリットとデメリットを以下の表にまとめました。
制作会社に依頼 | |
メリット | デメリット |
・高品質なホームページを作ることができる ・集客に強いホームページができる ・計画通りに納品される ・スタッフのスキルが高い |
・費用が高い ・更新や修正に別途料金が必要 ・担当者でないとわからないことが多く、コミュニケーションに手間がかかる ・必ず集客できる確約はない |
制作会社は各工程をそれぞれの専門家が担当します。そのため、発注者の希望するホームページの目的に合わせて、見栄えも機能面でも品質の高いホームページを作成できます。
その反面、多額な費用がかかる点はデメリットです。また多額の費用をかけてホームページを作成したからといって、必ずしも集客力を発揮できるという確約はありません。費用をかけて作成したが期待した成果が得られない、という可能性もあることを考慮して依頼を検討します。
個人・フリーランスに依頼するメリット・デメリット
個人やフリーランスに依頼した場合はのメリットとデメリットをみていきましょう。
個人やフリーランスに依頼 | |
メリット | デメリット |
・費用が安い ・コミュニケーションがスムーズ ・必要な時だけ依頼できる ・依頼から納品の期間が短い ・小さな案件から相談できる |
・スキルのレベルに保証がない ・不得意な工程も1人で対応することがある ・納期に間に合わないことがある ・急に廃業する恐れがある ・必ず集客できる確約はない |
個人やフリーランスの最大のメリットは、制作会社に依頼するより費用を安く抑えられることです。
また依頼する際の窓口も制作担当者も同じですから、ホームページに反映させたい意向を伝えるのも容易で、コミニケーションがスムーズな点もメリットと言えるでしょう。制作会社に頼むほどの規模ではないが自社で対応するには手間がかかる、といった案件の相談もしやすいのは、個人やフリーランスのメリットです。
しかし1人で全ての工程をこなすためには、一定の知識や経験が必要です。個人やフリーランスには、スキルの保証もありません。個人やフリーランスに依頼する際は、過去の実績などでスキルを確認します。
もう一つのデメリットは、1人で制作にあたるため、納期に間に合わない可能性もゼロではないということです。
格安の場合があるけど、大丈夫なの?(値段の理由)
できるだけコストを抑えてホームページ作成を発注したいと考えるあまり、格安で請け負っている個人やフリーランスに安易に飛びつくのは危険です。
一般的に、安価にホームページを制作できる理由には以下の3つが考えられます。
- 価格を下げて売るほど品質が低い
- オリジナルデザインではなく、テンプレートを使いまわしている
- 個人やフリーランスが制作する
個人やフリーランスの中でも格安な場合に考えられる理由は以下の通りです。
- 駆け出しの製作者のため自信がなく、価格設定を相場より下げている
- 駆け出しの製作者のため製作費の相場がわからず、価格を相場より低く設定している
つまり格安の価格設定をしている個人やフリーランスの場合、経験値の浅い初心者である可能性が非常に高いといえるでしょう。
経験値とスキルは必ずしも比例するものではありません。しかし経験が浅い場合、商品価値が低いホームページを納品されたり、後になって不具合が発生したりといった危険性は否めません。
またスキルに問題がない個人やフリーランスの場合にありがちなのが、格安なのは今だけで、再度発注するタイミングでは急に価格が上がっている、という事態もあります。
個人やフリーランスにホームページ制作を依頼する際は、もちろん価格も重要です。しかし、全ての工程をこなすスキルがあるのか、また製作者のセンスが自社の求めるものと合致するのかを、過去の制作物や実績で確認することが重要です。
- ホームページ制作を個人やフリーランスに依頼する時は、価格だけで選ばない
- 全ての工程を1人でこなせるスキルがあるか確認する
- 個人やフリーランスに依頼する時は、制作物や実績を確認する
プログラマ(エンジニア)?ウェブデザイナーどっちに発注?
答えは、基本的にはウェブデザイナー、です。
ところで、プログラマ(エンジニア)とウェブデザイナーの違いはなんでしょうか。
簡単に紹介したものが以下の表です。
プログラマ(エンジニア) | ウェブデザイナー | |
業務内容 |
・プログラミング言語を使って、ウェブサイトやアプリの開発を担当する技術者 |
ウェブサイトの構成やデザインの作成を担当する |
スキル |
・プログラミング(JavaScript含む) ・コーディング(HTMLとCSS) |
・ウェブデザイン(Illustrator、Photoshop使用) ・コーディング(HTMLとCSS) ・JavaScript(プログラミング言語の一つ) |
ホームページ制作する重要な工程には、ウェブサイトのデザインとコーディング(ホームページの内容を作成する)の2項目があります。
この両方のスキルを保有しているのがウェブデザイナーです。
ウェブサイトに込み入った動作をさせたい場合は、プログラミングの知識が必要です。そういった場合には、ウェブデザインのできるエンジニアに依頼するという方法もあります。しかし、一般的な企業ホームページであればウェブデザイナーに依頼するのがよいでしょう。
- ホームページ制作は、ウェブデザイナーに依頼する
どこでフリーランスを見つければいい?(直接知り合いなどがいない場合の記事。)
個人やフリーランスの製作者に依頼する場合、どこで見つければいいでしょうか。
まずは依頼までに準備する内容を紹介した後、具体的なフリーランス製作者の探し方をみていきます。
個人やフリーランスのホームページ製作者の主な探し方には、このようなものがあります。
- 「フリーランス」「ホームページ制作」といった検索ワードで、個人やフリーランスのホームページを探す
- クラウドソーシングサイトを探す
クラウドソーシングサイトとは、スキルを売りたい個人やフリーランスと、スキルを必要とする企業などをマッチングさせるサイトです。あまたのクラウドソーシングサイトがありますが、ここではホームページ作成スキルを持った個人やフリーランスが多く集まる大手3社を紹介します。
ランサーズ
ランサーズは仕事を依頼したい企業と仕事を受注したい個人をオンラインでマッチングする、日本最大級のフリーランスタレントプラットフォームです。
(引用元:ランサーズ公式ホームページ)
ホームページ制作を依頼する時は、クライアントとしてランサーズサイトにユーザー登録します。
ランサーズにおけるホームページ製作者の探し方は3通りあります。
- 1つ目は、募集内容を掲載して制作希望者を募る
- 2つ目は、対応可能な内容と価格を提示している製作者に制作依頼する
- 3つ目は、登録者でホームページ制作スキルのある個人やフリーランスの中から依頼したい人を見つけ、直接制作の相談をする
双方の合意が取れた段階で、依頼者は製作費の仮払いを行います。この製作費は、納品完了すると製作者に支払われる仕組みです。万が一制作の途中でプロジェクトが中断した場合、仮払金は依頼者に払い戻されます。製作費を支払ったが納品されない、といったトラブルを回避する仕組みです。また納品物に修正がある場合も、製作者が修正依頼に応じて再納品した後に納品完了とすることができるので安心です。
ランサーズにおけるホームページ作成費用(10ページ程度)の相場(2021年3月時点)は、約3万〜15万円程度です。
(参照データ:ランサーズスキルパッケージ掲載の、ワードプレスによるホームページ作成データより抽出:https://www.lancers.jp/menu/search/allMenu/)
クラウドワークス
クラウドワークスは、業界ナンバー1のユーザー数をもつクラウドソーシングサービスです。
(参照元:クラウドソーシングタイムズ)
クラウドワークスにおけるホームページ製作者の探し方は2通りあります。
- 1つ目は、募集内容を掲載して制作希望者を募る
- 2つ目は、登録者でホームページ制作スキルのある個人やフリーランスの中から依頼したい人を見つけ、直接制作の相談をする
クラウドワークスも、製作費の支払いの流れはランサーズと同様です。依頼者が製作費の仮払いをした段階で、製作者は作業を開始します。納品完了に双方合意すると、製作者の元に製作費が支払われる仕組みです。
クラウドワークスにおけるホームページ作成費用(5ページ程度)の相場は、約5万〜10万円程度です。
(参照元:クラウドソーシングタイムズ)
ココナラ
ココナラは、ビジネスからプライベート利用まで、個人のスキルを気軽に売り買いできる日本最大級のスキルマーケットです。
(引用元:ココナラ)
ココナラにおけるホームページ製作者の探し方は2通りあります。
- 1つ目は、対応可能な内容と価格を提示している製作者に制作依頼する
- 2つ目は、登録者でホームページ制作スキルのある個人やフリーランスの中から依頼したい人を見つけ、直接制作の相談をする
ココナラも、製作費の支払いの流れはランサーズやクラウドワークスと同様です。依頼者が製作費の仮払いをした段階で、製作者は作業を開始します。納品完了に双方合意すると、製作者の元に製作費が支払われる仕組みです。
ココナラにおけるホームページ作成費用(10ページ程度)の相場(2021年3月時点)は、約3万〜15万円程度です。
(参照データ:ココナラ掲載の、ホームページ作成スキル出品データより抽出)
ホームページ制作を依頼するときの注意点
ホームページ制作を依頼する際のタブー、決してしてはいけないことがあります。それは、制作者に依頼を丸投げすることです。
スケジュールや納期はもちろんのこと、どこまで対応し、どこからはしないのか、また納品後についても綿密に打ち合わせ、合意を得る必要があります。
製作者との意思の疎通が不十分なまま制作に着手した場合、納品物を見て「思っていたのと違う」「こんなはずではなかった」なる危険性も否めません。
ホームページ制作を依頼する際の準備を、具体的に見ていきましょう。
丸投げはダメ!制作依頼する前の事前準備まとめ
ホームページ制作を依頼する際に決めるべき主な項目を以下にまとめました。
ホームページと一言で言っても、商品やサービスを紹介するもの、問い合わせや資料請求の件数を増やすためのもの、といったように目的はさまざまです。
何を目的に、そしてどのような客層をターゲットにしたホームページなのかを、製作者に具体的に伝えます。
事業内容や商品、サービスについても、具体的で詳細な説明が必要です。なぜなら製作者は、自社の社員でもなければ商品やサービスもよく知らない第三者だからです。
またデザインについても、目指すイメージに近いサンプルを提示しながら、具体的に伝えます。例えば「元気な雰囲気」と言われても、100人いれば100通りのデザインを連想することでしょう。製作者の感じるイメージが依頼者の脳内にあるイメージと合致することは、まずありません。
サンプルにするイメージ画像を探す際は、同業他社のホームページではなく、他業種から探しましょう。同業者ホームページとデザインが似ることを避けられます。
- ホームページの詳細まで具体的に決定し、文書やイメージ画像を添えて発注する
まとめ
企業ホームページを低コストで制作する場合は、個人やフリーランスの製作者を選択するのも一つの有効な方法です。安心して任せることのできる製作者であるかしっかり見極めること。そして、依頼したい内容は詳細まで具体的に、文書や画像などで示すことが重要です。