ホームページ制作を依頼する際、依頼先選びの指標の1つになるのが「見積り」です。
見積もりは依頼内容や予算を明確にするため非常に重要ですが、「ディレクション」や「コーディング」など専門的な用語が多く、結局のところどういった内容に費用がかかっているのか見積りの見方自体が分からないという方も多いのではないでしょうか。
見積り内容について把握しておくことで、依頼をスムーズに行えるだけでなく相見積もりの適切な比較も行えるようになります。
そこで今回はホームページ制作を依頼する際の見積もりについて、その内訳や相場、依頼の際のポイントなどを解説します。
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ホームページ制作の見積もりの内訳内容を解説
ホームページ制作依頼は、規模やデザイン、実装する機能やサポートによってかかる費用が大きく異なります。
また、同様の内容であっても制作会社によって見積り費用が大きく異なります。
このため相見積もりが重要というお話はよく耳にされるかと思いますが、冒頭述べたように見積りに記載されている内容が良く分からないという方も多いのではないでしょうか。
ホームページ制作費用は、数万円から作れるものもあれば100万円以上かかるものまでさまざまです。費用の安さだけで選んでしまうと、クオリティが低かったり、出来上がりに満足できなかったりすることもあります。
しかし、ホームページ制作の見積もりを依頼しようと思っても、その内訳の項目は難しい言葉ばかりが並んでいて、何をするための費用なのか、必要なものなのかを理解するのが難しい人も多いでしょう。
依頼の際にしっかりと見積もりを”読める”ようにするためにも、まずはホームページ制作依頼における見積もりの内訳内容について解説します。
これってなんの費用?内訳の解説
ホームページ制作を依頼した場合、「ディレクション」や「デザイン」、「コーディング」など工程ごとの単価設定により費用を請求されることが一般的です。
これらを理解しておけば依頼内容について明確にできるだけでなく、相見積もりを行う際の比較検討もより適切に行うことができるでしょう。
ホームページ制作に必要な工程とかかる費用は一般的に以下の通りです。
それぞれの項目について解説していきます。
- ディレクション費
- デザイン費
- コーディング費
- システム開発費
- 初期設定費
- 管理
- 運用費
ディレクション費
ディレクション費とは、ホームページ制作の企画や進行にかかる費用のことです。
ホームページ制作を依頼する際は、まずホームページの目的やコンセプト、必要な機能や希望のデザインなどについてのヒアリングに基づいて企画を行います。
また企画に基づいて制作にあたりますが、ホームページ制作には多くの工程・人員が関わるため適切な人員配置やスケジュール管理など進行が必須です。
ディレクション費用は全体の20%前後となることが一般的ですが、ディレクションは全体の品質に大きく関わるため不用意に安く抑えようとしない方が賢明でしょう。
デザイン費
デザイン費とは、ホームページのデザインにかかる費用のことです。
各ページのレイアウトのほか、ロゴデザインやバナーデザイン、ボタンデザインなどが含まれます。
「トップページ」と「下層ページ」で費用が異なり、ユーザーが初めに目にするトップページは下層ページよりも割高になることが一般的です。
またロゴやバナーなどのデザインに関しては、こちらで用意しない場合写真使用料やイラスト制作料が別途かかる場合があります。
コーディング費
コーディング費とは、デザインしたページをブラウザで表示できるようにする作業にかかる費用のことです。
ホームページ制作には本来HTML等のプログラミング言語による書き出し作業が必要であり、この作業をコーディングと言います。
コーディング費もデザイン費同様、各ページで費用が異なることが一般的です。
システム開発費
システム開発費とは、必要な機能やシステムの開発にかかる費用のことです。
EC機能やお問い合わせフォームなどの機能導入のほか、CMSの環境構築なども含まれます。
また独自のシステム開発を依頼することも可能ですが、その場合は相応の予算が必要となります。
[補足]
CMSとは「Contents Management System(コンテンツマネジメントシステム)」の略で、HTMLなど専門知識がなくても簡単にホームページの制作や管理が行えるシステムのことです。代表的なCMSとしては、WordPressなどがあげられます。
初期設定費
初期設定費用とは、サーバーやドメイン、SSL導入などの初期設定にかかる費用のことです。
ホームページを制作・運用する際、データを置いておく「サーバー」とインターネット上の住所となる「ドメイン」(URLの「○○.com」や「○○.jp」の部分)が必要となります。
またSSL導入(URLのhttps化)も必須のセキュリティ対策と言えます。
これらは自作の際にも必須の項目と言えますが、代行費用を支払って依頼することも可能です。
管理・運用費
管理・運用費とは、ホームページのメンテナンスや更新にかかる費用のことです。
運用開始後のホームページ内容修正や定期メンテナンスなどの一般的なもののほかに、アクセス解析やコンテンツの更新なども依頼できる場合があります。
ただし、そのような運用サポートを依頼する場合は別途費用が必要です。
ホームページ制作で必ずかかる費用は?
ホームページを制作する際、依頼・自作に関わらず絶対に必要となる費用があります。
先ほど少し触れたようにサーバーやドメインはホームページ制作・運用において必須となりますが、サーバーには月2,000円程度、ドメインには年1,000円程度の費用がかかります。
またホームページで使用・掲載するイラストや写真、動画にも費用が必要です。
用意する方法はいくつかありますが、一般的にプロのイラストレーターやカメラマンに依頼するよりも素材販売サイトを利用した方が安く抑えることができます。
これらをまとめて制作会社に依頼することも可能ですが、その場合は代行費用が別途かかります。
簡単に相場分かるホームページ制作の料金表
ホームページ制作の料金相場を紹介します。
制作内容 | 費用の相場 |
テンプレートで制作 |
テンプレート使用の場合:3万円〜十数万円程度 カスタマイズする場合:20万円〜30万円程度 |
オリジナルデザインで制作 | 20万円〜100万円程度 |
CMSで制作 |
WordPress設置の場合:3万円程度 独自のCMSを構築する場合:100万円程度〜 |
テンプレートやWordPressなど既存のものを使用する場合に比べて、オリジナルのデザインやCMSを構築する場合は相応の費用が必要となります。
システム含めゼロからホームページを制作する場合は機能やデザインなど希望通りのものを制作することが可能ですが、規模に応じて多額の費用がかかる点には注意が必要です。
機能性やデザイン性と予算のバランスを考慮しつつ、フリーランスなども含め相見積もりをもとに検討すると良いでしょう。
テンプレート使用の場合
制作会社の用意するテンプレートを使用する場合、3万円~数十万円程度でホームページ制作を依頼できます。
制作日数も短く済むため、早くホームページを制作したい場合にもおすすめです。
ただしテンプレートを使用する場合、デザインや機能において独自性に欠ける場合がある点には注意が必要です。
なおテンプレート使用の場合でもカスタマイズすることで独自性のあるホームページを制作できますが、その際は20万円~30万円程度費用がかかります。
オリジナルデザイン依頼の場合
テンプレートを使用せずにオリジナルデザインでの制作を依頼する場合、20万円~100万円程度必要です。
目的やコンセプトに基づいた機能やデザインを備えた独自性の高いホームページが作れる点が魅力ですが、それらの共有に打ち合わせやチェック作業が必要となるため完成までには時間がかかります。
また求める機能やデザインによっては上記以上の費用がかかる点にも注意が必要です。
CMS構築まで依頼する場合
ホームページ制作に加えてCMS構築まで依頼する場合、100万円程度以上必要です。
制作費用としては大きくなりますが、CMSを構築しておけば自社で運用や管理、更新作業ができるためランニングコストを削減できます。
新商品PRなど頻繁に更新を行いたい場合に便利なため、ホームページ運用を長期的に考えるとトータル費用を安く抑えることができるでしょう。
また既存のCMSの環境構築のみであれば安い費用で制作依頼が可能であり、特にWordPressなどを設置するだけであれば3万円程度~依頼が可能です。
ホームページ制作費用が大きく異なる理由は?
これまで見てきたように、ホームページ制作費用はデザインや機能、規模により異なります。
オリジナルデザインやCMS構築で依頼した場合独自性のある効果的なホームページを制作できますが、その分制作期間や費用が必要です。
ゼロから制作を行う分、コンセプトの共有など打ち合わせを重ねる必要があり、またそれに伴ってデザインやコーディング、システム開発にも期間・費用が必要となるためです。
ただしこういった事情のほかに制作会社によってサービス内容や料金体系・設定が異なるため、ホームページ制作を依頼する際は複数の制作会社から相見積もりを取って検討することをおすすめします。
ホームページ制作を依頼するときのポイント
ホームページ制作の依頼先はフリーランスから広告代理店まで多く存在し、また制作会社によってサービス内容や料金などが異なります。
同じ内容でも依頼先によって費用や品質に差が出てくるため、満足できるホームページを作るために以下の点に注意して依頼するようにしましょう。
- どんなホームページにしたいかイメージをはっきりさせる
- 各項目についてしっかり確認する
- ページ数が多ければ費用がかさむ
- 見積もり金額だけで決めない
どんなホームページにしたいかイメージをはっきりさせる
ホームページ制作でまず重要なことは、ホームページのコンセプトや目的、希望のデザインや機能を明確にすることです。
改めて自社の商品・サービスやターゲットを明確にした上でホームページの方針を定め、必要な機能やコンテンツを洗い出しましょう。
たとえホームページ制作に必要な知識や用語を把握していなくとも、ホームページに入れたい情報や機能のイメージを持っておくだけで依頼がスムーズに行えます。
依頼先としても必要な作業が明確になるため、見積りも明確なものを出してもらうことができるでしょう。
またホームページの目的やターゲットを明確にしておくことで、それらに合った強みを持つ依頼先を選定することもできます。
もちろん依頼先との打ち合わせを通じてイメージ作りを行うことも可能ですが、その分期間と費用がかかる上に明確に伝えられない場合がある点には注意が必要です。
各項目についてしっかり確認する
見積りを受け取った際は、ディレクションやデザインなど各項目について1つずつ費用や内容をチェックすることが重要です。
同様の名称となっていても、例えばディレクション費と企画費が別になっているなど、制作会社によってカバーする範囲や費用が異なる場合があります。
このため不明点などがある場合は、しっかりと質問して説明してもらうようにしましょう。
またホームページ制作会社によっては、「人件費×日数」や「ページ単価×ページ数」で見積もりを出してくる場合があります。
計算としては単純で分かりやすいですが各単価の妥当性についての判断は難しいため、いずれにせよ見積り内訳の内容についてしっかりと確認・把握することが重要です。
これらの確認作業を疎かにしてしまうと機能の過不足が生じてしまったり、後になってから変更が必要になったりといったトラブルが生じてしまう可能性があるため、見積りの各項目についてはしっかりと確認するようにしましょう。
ページ数が多ければ費用がかさむ
ホームページ制作依頼の基本的な考え方として、ページ数に応じて費用が高くなるということは押さえておきましょう。
トップページや商品ページだけでなく会社紹介ページや問い合わせページなど多様なページを用意した方が信頼性のあるホームページを作ることができますが、その分費用も高くなります。
なお「これってなんの費用?内訳の解説」でも少し触れたように「トップページ」「下位ページ」などページごとにページ単価が異なり、トップページは10万円程度、下位ページはその半額程度などになることが一般的です。
ページ単価も依頼先によって異なるため、ページ数の多いホームページを制作したい場合などは特にページ単価が依頼先選びの重要な指標となります。
見積もり金額だけで決めない
ここまでホームページ制作の見積り金額について解説してきましたが、見積り金額の安さだけで依頼先を決めないように注意しましょう。
先ほどもお話したように同じ費目でも内容が異なる場合があり、またテンプレートを使用しているために見積金額が安くなっている場合もあります。
見積り費用だけで決めてしまうと想定と異なるホームページが制作されてしまうだけでなく、追加変更や調整で結局費用がかさんでしまうというリスクもあります。
このため見積りを取る時点で依頼先の実績や担当者の対応などを確認し、信頼できる制作会社などに制作依頼をするようにしましょう。
まとめ
今回はホームページ制作を依頼する際の見積もりについて、その内訳や相場、依頼の際のポイントなどを解説しました。
ホームページ制作依頼の見積もりは制作にかかる工程別に費用が提示されることが一般的ですが、費目が同様でも依頼先によって内容や費用が異なる場合があります。
このためホームページ制作の流れについて把握した上で、提示される見積もりの各項目についてしっかりと確認・把握することが重要です。
また希望のホームページイメージについてあらかじめ明確にしておいたり、不明点がある場合はしっかりと質問したりすることで、希望に沿ったホームページを制作できます。
この点を疎かにしてしまうと希望通りのホームページが出来ないだけでなく、変更・調整のために費用がかさむといったトラブルに繋がるため注意しましょう。
このようにホームページ制作を依頼する場合は、ホームページイメージを明確にした上で依頼を行い、提示される見積もりの内容をしっかりと確認することが重要です。
今回の内容を参考に見積りを適切に読み、信頼できる依頼先に納得のいくホームページ制作を依頼しましょう!