近年さまざまなサービスで採用されている定額制(サブスクリプション、サブスク)ですが、ホームページ制作においてもサブスク制のサービスが多く提供されています。
今回はサブスク制のホームページ制作サービスについて、その内容や利用時の注意点、メリットやデメリットまで解説します。
従来の制作方法との比較も行いますので、サブスク制のホームページ制作サービスについて知りたい方はもちろん、これからホームページを始めてみようとお考えの方はぜひ最後までご覧ください!
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定額制のホームページ制作(サブスク)はどんな仕組み?
サブスク制のホームページ制作サービスとは、月額など定額料金の支払いでホームページ制作を任せられるサービスです。
ホームページ制作には
①自分・自社で行う方法
②制作会社やフリーランスなどに依頼する方法
の2通りがありますが、サブスク制のホームページ制作サービスは依頼の中でもコストが掛からない点が特徴です。
制作会社などに依頼する場合は従来30万円以上かかったものが、サブスク制のサービスであれば数万円の初期費用と月額費用で依頼できます。
サブスク制のサービスにおいても初期費用・月額費用はピンキリですが、中には初期費用無料・月額費用5,000円程度といったサービスもあり、コストを抑えてホームページが始められることから近年注目されています。
制作にはどんな項目が含まれる?
サブスク制のホームページ制作サービスには、主に以下のような項目が含まれています。
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サイトデザイン
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コンテンツ制作
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セキュリティ対策
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SEO対策
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ドメイン・サーバー管理
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メンテナンス
サイトデザイン
サイトデザインとはその名の通り、どのようなレイアウトでどういった機能を搭載するかといったウェブサイトをデザインする作業を指します。
サイトデザインの内容としては以下のようなものがあげられます。
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どこにどのようなボタンを配置するか
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TOPページにフォトギャラリーを入れるか
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お問い合わせフォームを設置するか
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レスポンシブ対応(スマホ・タブレット最適化)にするか
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SNSと連携するか
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ブログを設置するか
サイトデザインは訪問したユーザーをホームページに留め、コンバージョンに繋げる上で非常に重要です。
従来HTMLやCSSといった専門的な知識が必要だったためホームページ制作のネックにもなっていたサイトデザインですが、サブスク制のサービスでは初期コストを抑えてサイトデザインからお任せできます。
コンテンツ制作
コンテンツ制作とは、ホームページに掲載する記事や動画といったコンテンツを作る作業を指します。
ホームページで提供するコンテンツとしては記事が最も基本となりますが、場合によっては写真や動画が必要となることもあるでしょう。
またネットショップの場合は商品ページが基本コンテンツとなり、写真や動画の必要性が上がります。
基本的にサブスク制のサービスで提供される内容はサイトデザインなどの「初期制作」に関するものですが、オプションでコンテンツ制作などの「運用」までカバーしているサービスもあります。
セキュリティ対策
セキュリティ対策とは、企業ホームページであれば特に必須のセキュリティ対策を施す作業を指します。
ホームページにおけるセキュリティ対策の基本として「SSL化(インターネット通信の暗号化)」が実施されるほか、さらに信頼性をアピールできるサイトシールや企業認証まで提供しているサービスもあります。
セキュリティ対策はウイルスからの防御や情報保護の観点から必須であるほか、Googleなどの検索エンジンから評価を得るためにも重要です。
SEO対策
SEO対策とは検索エンジン最適化とも言われ、Googleなどの検索エンジンに認識・評価されるようなサイト作りを行う作業を指します。
ホームページ運用においてはいかに検索エンジンで上位表示されるかが重要となりますが、検索エンジンの評価基準は不定期で変更されることがあり対策には経験や知識が必要です。
また現在主流の対策である内部SEOですが、サイトデザインに関わる部分も大きいためこちらも知識が必要と言えます。
このように知識や経験が求められるSEO対策ですが、サブスク型のサービスでは月額費用を支払いながら適宜お任せすることができます。
ドメイン・サーバー管理
ドメイン・サーバー管理とは、ホームページに必須のドメインとサーバーを取得・管理する作業を指します。
ドメインとはよく「インターネット上の住所」に例えられるもので、URLの「○○.jp」や「○○.com」の部分のことです。どこが運営するホームページかを明示したり信頼性を示したりするものとなるため、必須な上に重要な役割も担っています。
またサーバーとはホームページの情報を保管し、アクセスリクエストに応じてその情報を提供する役割を担うものです。
サーバーを利用しなければホームページをインターネット上で公開することができないため、サーバーもホームページに必須となります。
自身でホームページ制作する場合などはこれらドメインやサーバーを取得・レンタル、または運用管理する必要がありますが、サブスク型のサービスではこれらの取得や運用をお任せできます。
メンテナンス
メンテナンスとは、サイトデザインの修正や更新、データバックアップなどの運用時に必要なメンテナンス作業を指します。
ホームページは制作して終了ではなく運用し成果を上げていくことが重要です。
従来のホームページ制作サービスではページ制作後の修正やメンテナンスに別途費用がかかることもありましたが、サブスク制のサービスでは月額料金の中にメンテナンスも含まれています。
また制作を依頼し普段から付き合いのある会社に依頼できるため、費用面だけでなく手間や安心感という面でもメリットを感じられるでしょう。
定額制のホームページ制作で注意すべき点は?
サイトデザインから各種対策、メンテナンスまでを定額料金の支払いでお任せできる非常に便利なサブスク制ホームページ制作サービスですが、利用する上でいくつか注意点があります。
ここでは以下の注意点について確認しておきましょう。
- 最低契約期間が設定されている場合がある
- 契約終了後ホームページやドメインは残らない
- いくつかのサービスはオプションになっている
- 長期利用の場合は割高になる可能性がある
最低契約期間が設定されている場合がある
サブスク制のホームページ制作サービスの多くは月額制ですが、最低1年などの最低契約期間が設定されている場合があります。
サービスやサポートが充実したものであれば「月額50,000円の最低2年契約」というものもあり、この例で言えば「50,000円 × 24カ月 = 120万円」必要となります。
これでは従来のようにホームページ制作会社に依頼するのと変わりがありませんよね。
上の例はサブスク制のサービスの中では高額な部類なものですが、月額10,000円程度など格安のサービスでも最低契約期間が1年間などということはよくあります。
なお最低契約期間内に解約する場合は、契約終了までの月額費用を解約金として支払うことが一般的です。
サブスク制のサービスにおいてコストは大きなメリットと言えますが、検討する際は最低契約期間も含めてトータルのコストがいくら必要なのかしっかりと確認するようにしましょう。
契約終了後ホームページやドメインは残らない
サブスク制のサービスでは、基本的に契約終了後ホームページやドメイン、ホームページ内で使用されていた画像などの素材は残りません。
これらの所有権譲渡や移行作業を行ってもらえる場合もありますが、その際は通常別途手数料が必要です。
ドメインを会社用のメールアドレスにも使用していた場合はそちらも使えなくなってしまうため、契約終了後のホームページやドメインの取り扱いについては十分注意しましょう。
いくつかのサービスはオプションになっている
先ほど「制作にはどんな項目が含まれる?」でサブスク制のホームページ制作に含まれるサービス内容をご紹介しましたが、いくかのサービスはオプションであり別途料金がかかります。
各サービスやプランによって異なるため一概には言えませんが、基本的に記事執筆や動画制作などのコンテンツ制作についてはオプションになると考えておきましょう。
またサイトデザインなど基本的なサービスにおいても、下層ページの追加やフォトギャラリーの設置といった付加的な内容についてはオプション、または上位プランのサービスとなっていることが一般的です。
オプションを追加していくと思いのほか費用がかさむこともあるため、「結果的に従来の依頼の方が安く済むはずだった」とならないようにしっかりとサービス内容・費用を確認するようにしましょう。
長期利用の場合は割高になる可能性がある
これまで見てきたようにサブスク制のサービスでも意外と費用がかかる場合があり、特に長期利用の場合は割高になる可能性があります。
キャンペーン用のウェブサイトなどであれば短期公開で良い場合もありますが、会社のホームページとして運用する場合は少なくとも数年単位で運用していくと考えておいた方が良いでしょう。
その場合は従来のホームページ制作会社に依頼した方が安く済む場合もあるため、用途や運用計画を確認しながら割高になってしまっていないかどうかしっかりと見定めるようにしましょう。
サブスク型と通常のホームページ制作のメリット・デメリット比較
これまで見てきたように、一見安く見えるサブスク制のサービスでも割高になってしまうことがあります。
従来の依頼と比べても、「気付いたら依頼制作費を分割払いしていることとそう変わりない」ということもあるでしょう。
ホームページ制作にはいくつかの方法がありますが、自社にあった最適のサービスを選ぶためにはそれぞれの特徴やメリット・デメリットをしっかりと把握することが重要です。
ここではホームページ制作方法を大きく以下3つに分け、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
- サブスク型ホームページ制作
- 【外注】ホームページ制作会社
- 【自作】ホームページ作成サービス
サブスク型ホームページ制作
サブスク型ホームページ制作は、これまで見てきたように月額など定額料金を支払うことでホームページ制作を依頼する方法です。
サイトデザインやセキュリティ・SEO対策、ドメイン・サーバー管理といったホームページ制作に必要な基本的な項目に加えて、オプションサービスや上位プランを利用することでコンテンツ制作や広告運用代行を依頼することもできます。
サブスク型ホームページ制作の費用
費用はサービス内容やプランによって異なりますが、大方以下のような費用感となっています。
- 初期費用:無料~10万円程度
- 月額費用:5,000円~50,000円程度
サブスク型ホームページ制作のメリットとデメリット
サブスク型サービスのメリットとしては、やはり費用的・時間的な初期コストを抑えてホームページを始められる点があげられます。
また最低契約期間には注意が必要であるものの、月単位での契約も多くありいつでも解約ができる点も魅力です。
ただしホームページの所有権があるわけではないため契約終了後にはホームページが残らない点や、長期利用の場合は従来の依頼と比べても費用がかかってしまう場合がある点には注意しましょう。
【外注】ホームページ制作会社
ホームページ制作会社への外注は、制作会社へホームページ制作・開設や運用を依頼する方法です。
サブスク型と異なり買い切り型のためホームページの所有権を得ることができ、またコストをかけることでその分希望通りのデザイン・機能を備えたホームページを制作できます。
ホームページ制作会社へ外注する場合の費用
制作会社へ外注する際の費用はホームページに搭載する機能や利用するサービスによって大きく異なりますが、ホームページの規模で大まかに分けると以下のようになります。
- 小規模:10万円~100万円程度
- 中規模:100万円~300万円程度
- 大規模:300万円程度~
ホームページ制作会社へ外注する場合のメリットとデメリット
ホームページ制作会社へ外注する場合は、デザイン・機能・セキュリティなどあらゆる面において高品質なホームページを希望に沿った形で制作できます。
またホームページの制作や運用を委託することで、本来の業務にリソースを集中できる点もメリットと言えるでしょう。
一方で、希望に沿った高品質なホームページ制作のためにはそれ相応の費用が必要である点は認識しておかなければなりません。
また更新の際に必要なステップやプロセスも多くなるため、そういった手間がかかってしまう点にも注意が必要です。
【自作】ホームページ作成サービス
ホームページ作成サービスによる自作は、インターネット上で提供されているホームページ作成サービスを利用して自身でホームページ制作を行う方法です。
ホームページ制作に必要な機能を備えつつも直感的な操作で制作できるため専門的な知識も要らず、また費用も大きくかからないため近年注目されているサービスです。
ホームページ作成サービスで自作する場合の費用
ホームページ作成サービスにも多くのサービス・プランが存在しますが、基本的に以下のように無料もしくは月額数百円程度~利用できるものが一般的です。
- 無料~月額5,000円程度
ホームページ作成サービスで自作する場合のメリットとデメリット
ホームページ作成サービスは安価で簡単にホームページ制作ができるため、費用的にも時間的にもコストを抑えてホームページ展開が行える点が大きな魅力といえます。
また自身で制作していることもあり更新作業を好きなタイミングで行うことができる点もメリットです。
一方でホームページ作成サービスは基本的に用意されたテンプレートの中からデザインや機能を決定するという構造であり、さらに利用者数も多いことからオリジナリティを出すことが難しい点には注意が必要です。
またデザイン的・機能的な制限に加えて制作はあくまでも自身で行わなければならないため、どうしても品質面に不安がある点にも注意しましょう。
知識いらず!自分で簡単に作れるホームページ作成サービス
先ほどホームページ制作における3つの方法をご紹介しましたが、これからホームページ制作を行ってみようという初心者の方におすすめなのはホームページ作成サービスを利用して自作する方法です。
安価な月額料金で簡単にホームページ作成・運用ができる上にホームページやドメインも自身の資産として残るため、サブスク型と制作会社への外注の『良いとこ取り』と言っても過言ではないでしょう。
オリジナリティや品質面をデメリットとしてあげましたが、初めてのホームページや小規模ホームページには十分なデザイン・機能を備えた優れたサービスが多数展開されています。
今回はホームページ作成サービスの中でも、デザイン面や機能面、そして費用面でも優秀な以下2つの代表的なサービスをご紹介します。
- ジンドゥー(Jimdo)
- Wix
ジンドゥー(Jimdo)
出典:ジンドゥー(Jimdo)
ジンドゥー(Jimdo)は世界中で200万人のユーザーに利用されているホームページ作成サービスです。
AIによる自動生成機能や直感的なUIによってデザイン・機能を備えた優れたホームページを簡単に作成できます。
レスポンシブ対応や問い合わせフォームなどサブスク型ではオプション提供となっているような機能が無料プランから用意されているほか、豊富なプランを自由に選択することでアクセス解析やプロからのアドバイスなど高度なサービスを受けることも可能です。
ジンドゥーには費用、機能別に全8つの豊富なプランが用意されているため、ホームページ制作初心者の方から外注を検討する規模のホームページ展開を考えている方まで幅広くおすすめできるホームページ作成サービスといえます。
Wix
Wixは世界190ヵ国で1億8,000万人以上に選ばれているホームページ作成サービスです。
ジンドゥー同様AIによる自動生成機能のほかにドラッグ&ドロップを用いた直感的な操作が特徴的で、こちらもデザイン性・機能性の高いホームページが簡単に作成できます。
またテンプレート数も900種類を超えるため、ホームページ作成サービスのデメリットとなるオリジナリティの欠如もカバーすることが期待できます。
Wixはユーザーレベルに合わせた操作性と豊富なテンプレートを備えているため、オリジナリティのあるホームページを作成したい方におすすめのホームページを作成サービスといえます。
まとめ
今回はサブスク型のホームページ制作サービスについて、その内容から注意点、メリットやデメリットまで解説しました。
またサブスク型以外のホームページ制作方法についても解説し、最後におすすめのホームページ作成サービスを2つご紹介しました。
ここで改めて今回の内容についておさらいしておきましょう。
サブスク型ホームページ制作サービスには以下の項目が含まれています。
- サイトデザイン
- コンテンツ制作
- セキュリティ対策
- SEO対策
- ドメイン
- サーバー管理
- メンテナンス
またサブスク型ホームページ制作方法を利用する際は以下の点に注意しましょう。
- 最低契約期間が設定されている場合がある
- 契約終了後ホームページやドメインは残らない
- いくつかのサービスはオプションになっている
- 長期利用の場合は割高になる可能性がある
ホームページ制作方法にはサブスク型以外に「ホームページ制作会社への外注」と「ホームページ作成サービスを利用して自作」の2つの方法があげられますが、それぞれの特徴と費用感、メリット・デメリットは以下の通りです。
【サブスク型ホームページ制作】
月額など定額料金を支払うことでホームページ制作を依頼する方法
- 初期費用:無料~10万円程度
- 月額費用:5,000円~50,000円程度
【ホームページ制作会社への外注】
制作会社へホームページ制作・開設や運用を依頼する方法
- 小規模:10万円~100万円程度
- 中規模:100万円~300万円程度
- 大規模:300万円程度~
【ホームページ作成サービスを利用して自作】
インターネット上で提供されているホームページ作成サービスを利用して自身でホームページ制作を行う方法
- 無料~月額5,000円程度
3つの方法の中でこれからホームページ制作を行ってみようという初心者の方におすすめなのはホームページ作成サービスを利用して自作する方法で、おすすめのホームページ作成サービスは以下の2つです。
- ジンドゥー(Jimdo)
- Wix
サブスク型のホームページ制作サービスはコストを抑えつつプロに制作をお任せできる優れたサービスですが、最低契約期間やオプション、長期利用により割高になってしまう可能性がある点や基本的に契約終了後にホームページが残らない点には注意が必要です。
このためサブスク型のホームページ制作サービスは、コストを抑えながらすぐにホームページを開設したい方や短期的にホームページを展開されたい方などにおすすめのサービスといえます。
今回サブスク型のホームページ制作サービスを中心に従来の外注や自作の制作方法についても触れましたが、いずれの方法をとるにせよ制作するホームページの方針・目的や規模に合った内容が実現できる方法を採用することが重要です。
これからホームページ制作を始められたい方にはホームページ作成サービスを利用して自作する方法をおすすめしましたが、今回の内容もご参考にご自身のホームページ展開に最も合った制作方法を今一度考えてみてくださいね。